第31回学級経営実践セミナー(山梨)
「子どもをエンパワメントする学級経営の実現」
近年,学校教育を取り巻く課題は一層多様化・複雑化している。いじめ発生件数や不登校児童生徒数の増加への対応は喫緊の課題である。文部科学省(2024)「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」では,不登校の主たる要因が無気力・不安であると報告された児童生徒が55.3%であると示された。この中には象徴的なきっかけが無い児童生徒も含まれている。子どもたちが日々の学校生活に対して目的を見出せなかったり,何かしらの不安を感じたりしていることが示唆される。
本来,学校は温かい人間関係の中で,子どもたちが様々な経験を重ね自己実現を図る場である。ところが学校が楽しみを見出すことができない場であったり,強いストレスを感じる場であったりすれば,子どもたちの発達を促進することは難しい。今一度,学校の在り方を問う必要があるだろう。これらの問題に対応する視点の1つとして,「エンパワメント」に着目した。エンパワメントとは本来は「権利を与える・権限を与える」という意味で使われるが,昨今では学校教育現場においても耳にするようになってきた。照屋(2021)は学校教育の場におけるエンパワメントとは「主体性をはじめとする人間の内面にあるポジティブな力を育もうという志向性を持つ概念」であるとしている。子どもの自己肯定感や自己有用感を高めることに直接的につながるものと考えられる。このことは学級経営を行う際に必要不可欠な視点であるといえる。
本セミナーでは「子どもをエンパワメントする学級経営の実現」をテーマに,実践の有効性や実践の根底にある教師の考え方について深めていきたいと考えている。小・中学校での実践発表や研究発表をもとに,赤坂真二先生,松山康成先生の2人のスペシャリストと共にテーマに迫っていきたい。
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日時 2025年1月25日(土) 13:15~16:50(受付 12:45)
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会場 韮崎市民センターNICORI 〒407-0015 山梨県韮崎市若宮一丁目2番50号
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定員 50名
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参加費 学会員2000円 一般3000円
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申し込み先 こくちーずプロ(下をクリックするとジャンプします)
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プログラム
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12:45 ~受付
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13:15 ~開会
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開会あいさつ
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基調提案 「子どもをエンパワメントする学級経営」 (5分)(渡邊克吉)
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発表
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13:20〜13:40 ポジティブ行動支援に基づいた学級経営(松山康成)
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13:40〜14:00 PBSをベースにした中学校における学級経営(京島健一)
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14:00〜14:20 小学校生活における自治的活動と学級内の繋がり(渡會裕輝)
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14:20〜14:50 リフレクション1<1~3の発表テーマに関するリフレクション>(松山康成,京島健一,渡會裕輝,赤坂真二,進行:渡邊克吉)
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休憩
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15:00〜15:20 学習者主体の学びと伴奏する教師と子どものエンパワメント(細野貴寛)
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15:20〜15:40 教室における感情の表出・共有場面を伴った対話の意義-「ホッとタイム」の取り組みから-(渡邊克吉)
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15:40〜16:00 子どもをエンパワメントする学級経営とは(赤坂真二)
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16:00〜16:30 リフレクション2<5~7の発表テーマに関するリフレクション>(細野貴寛,渡邊克吉,赤坂真二,松山康成)
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閉会行事(16:50終了)